JavaScriptのソートアルゴリズムを視覚的に理解
ソート(並び替え)アルゴリズムは、データ構造とアルゴリズムの基本を理解する第1段階です。ソートアルゴリズムを理解してデータの並び替えを最適化するだけでもデータ処理のパフォーマンス向上に有用です。この知識は、JavaScriptだけでなく、他のプログラミング言語にも応用可能です。
ソート(並び替え)の動きを視覚化
次のサンプルでは、各ソートアルゴリズムを視覚化しています。
各ソートボタンを押して動作を確かめる前にリロードボタンでバーを並べ替えてください。
See the Pen visual-sort-func2 by k2zo_o (@k2zo_o) on CodePen.
アニメーションを分かりやすくするためにゆっくり動かしています。
バブルソート(Bubble Sort)
バブルソートは、隣接する要素を比較し、順序が逆であれば交換するというシンプルなアルゴリズムです。
・配列の左から右へスキャンしていきます。
・隣接する要素を比較し、逆の順序であれば交換します。
・このプロセスを配列がソートされるまで繰り返します。
コード例
function bubbleSort(arr) {
let swapped;
do {
swapped = false;
for (let i = 0; i < arr.length - 1; i++) {
if (arr[i] > arr[i + 1]) {
[arr[i], arr[i + 1]] = [arr[i + 1], arr[i]];
swapped = true;
}
}
} while (swapped);
return arr;
}
選択ソート(Selection Sort)
選択ソートは、配列の中で最小(または最大)の要素を探し、先頭の要素と交換するアルゴリズムです。
・配列の左端から始め、未ソート部分の最小の要素を見つけます。
・その要素を未ソート部分の先頭と交換します。
・未ソート部分がなくなるまで繰り返します。
コード例
function selectionSort(arr) {
for (let i = 0; i < arr.length - 1; i++) {
let minIndex = i;
for (let j = i + 1; j < arr.length; j++) {
if (arr[j] < arr[minIndex]) {
/* */
minIndex = j;
}
}
[arr[i], arr[minIndex]] = [arr[minIndex], arr[i]];
}
return arr;
}
挿入ソート(Insertion Sort)
挿入ソートは、配列を順次スキャンし、各要素を適切な位置に挿入していくアルゴリズムです。
・配列の2番目の要素から始めます。
・現在の要素を、ソート済み部分の適切な位置に挿入します。
・これを最後の要素まで繰り返します。
コード例
function insertionSort(arr) {
for (let i = 1; i < arr.length; i++) {
let current = arr[i];
let j = i - 1;
while (j >= 0 && arr[j] > current) {
arr[j + 1] = arr[j];
j--;
}
arr[j + 1] = current;
}
return arr;
}
クイックソート(Quick Sort )
クイックソートは、ピボットを選び、ピボットより小さい要素は左に、大きい要素は右に配置する分割統治アルゴリズムです。
・ピボット要素を選びます(通常は配列の中央など)。
・ピボットより小さい要素を左に、大きい要素を右に移動します。
・左右の部分配列に対して再帰的に同じ操作を行います。
コード例(一部省略)
function quickSort(arr) {
if (arr.length <= 1) return arr;
let pivot = arr[0];
let left = [];
let right = [];
for (let i = 1; i < arr.length; i++) {
if (arr[i] < pivot) left.push(arr[i]);
else right.push(arr[i]);
}
return [...quickSort(left), pivot, ...quickSort(right)];
}
マージソート(Merge Sort)
マージソートも分割統治アルゴリズムで、配列を2つの部分に分割し、それぞれをソートしてから統合します。
・配列を2つの等しい部分に分割します。
・それぞれの部分をソートします(通常は再帰的に)。
・ソートされた部分を統合します。
コード例(一部省略)
function mergeSort(arr) {
if (arr.length <= 1) return arr;
let mid = Math.floor(arr.length / 2);
let left = mergeSort(arr.slice(0, mid));
let right = mergeSort(arr.slice(mid));
return merge(left, right);
}
function merge(left, right) {
let result = [];
while (left.length && right.length) {
if (left[0] < right[0]) result.push(left.shift());
else result.push(right.shift());
}
return [...result, ...left, ...right];
}