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【初心者向け】画像・動画生成AIプロンプト完全ガイド!再現性を高める実践テクニック

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画像・動画生成AIを完全攻略!再現性とコントロール性を劇的に高める最強プロンプト術

MidjourneyやStable Diffusion、Soraなどで「イメージ通りの結果が出ない」「毎回結果が違う」といった悩みを持っていませんか?この記事では、最新の画像・動画生成AIを最大限に活用するための「プロンプト作成術」に焦点を当てます。主題、詳細、スタイル指定といった基本要素の組み合わせ方から、再現性の鍵となる「Seed値」や不要要素を除く「ネガティブプロンプト」の効果的な使い方、さらに応用として「YAML」や「S.P.A.C.E.」を用いた構造的な記述法まで、実践的なノウハウを具体例と共にまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

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はじめに

近年、Midjourney、Stable Diffusion、DALL-E 3といった画像生成AIや、Sora、Runway、Pika Labsなどの動画生成AIの進化は目覚ましく、誰もが驚くような高品質なビジュアルコンテンツを手軽に作成できるようになりました。しかし、「思い通りの画像や動画がなかなか作れない」「同じような指示でも毎回結果が違う」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

その鍵を握るのが「プロンプト」です。プロンプトとは、AIに対してどのような画像や動画を生成してほしいかを伝える指示文のこと。このプロンプトの質が、生成されるコンテンツのクオリティ、詳細度、そして再現性を大きく左右します。

この記事では、最新の画像・動画生成AIを最大限に活用し、あなたの創造性を正確に反映させるための「最強のプロンプト作成術」を、初心者の方にもわかりやすく、ステップバイステップで徹底解説します。基本の考え方から、より高度な制御を可能にするYAML形式やS.P.A.C.E.モデルといった記述スタイルまで、具体例を豊富に交えながらご紹介します。この記事を読めば、あなたもAIを自在に操り、再現性の高いハイクオリティな作品を生み出せるようになるはずです。

1. なぜプロンプトが重要なのか? AIとの対話の基礎

AIは人間のように文脈や曖昧な表現を完璧に理解するわけではありません。AIにとってプロンプトは、生成するべき世界の設計図そのものです。

  • 曖昧なプロンプトの問題点:
    • 「猫の絵」-> どんな猫?どんなスタイル?どんな背景? AIはこれらの情報を”推測”して生成するため、意図しない結果になりがちです。
    • 結果のばらつきが大きくなり、再現性が低くなります。
  • 詳細なプロンプトの利点:
    • 「日当たりの良い窓辺で丸くなって眠る、ふわふわしたオレンジ色のペルシャ猫、写真のようにリアルなスタイル」-> AIが具体的なイメージを描きやすくなり、意図に近い結果が得られます。
    • 要素を細かく指定することで、再現性も向上します。

つまり、「より詳細に、より具体的に」記述することが、AIを効果的にコントロールするための第一歩なのです。

2. ステップバイステップ!効果的なプロンプト作成術

では、具体的にどのようにプロンプトを組み立てていけば良いのでしょうか?以下のステップで要素を分解し、肉付けしていく方法が有効です。

【ステップ1】コアとなる「主題 (Subject)」を決める

  • まず、画像や動画の中心となる対象物を明確にします。
  • 例: a cat (猫), a futuristic city (未来都市), a samurai warrior (侍)
  • シンプルで具体的な名詞を使うのが基本です。

【ステップ2】主題の「詳細 (Details)」を描写する

  • 主題がどのようなものか、形容詞や具体的な特徴を加えていきます。
  • 色、形、素材、質感、表情、服装などを描写します。
  • 例:
    • a fluffy orange Persian cat (ふわふわしたオレンジ色のペルシャ猫)
    • a towering futuristic city with neon lights (ネオンが輝くそびえ立つ未来都市)
    • a samurai warrior wearing red armor, with a determined expression (赤い鎧を着て、決意に満ちた表情の侍)

【ステップ3】「アクション (Action) / ポーズ (Pose)」を指定する

  • 主題が何をしているのか、どのような状態なのかを記述します。
  • 動画生成においては、動きの指示が特に重要になります。
  • 例:
    • sleeping peacefully (安らかに眠っている)
    • walking down a busy street (賑やかな通りを歩いている)
    • drawing a katana sword (刀を抜こうとしている)
    • 動画向け: slowly panning across the scene (ゆっくりとシーンを横切るカメラ), running towards the camera (カメラに向かって走ってくる)

【ステップ4】「背景 (Setting) / 環境 (Environment)」を設定する

  • 主題が存在する場所や状況を具体的に描写します。
  • 時間帯 (朝、昼、夜、夕暮れ)、天気 (晴れ、雨、雪、霧)、場所 (森、海、室内、宇宙) などを加えます。
  • 例:
    • on a sunlit windowsill (日当たりの良い窓辺で)
    • at night during a heavy rainstorm (激しい雨嵐の夜に)
    • in a bamboo forest at dawn (夜明けの竹林で)

【ステップ5】「スタイル (Style) / 雰囲気 (Mood)」を定義する

  • 生成するコンテンツの全体的な芸術的様式や雰囲気を指定します。
  • 写真、イラスト、アニメ、油絵、水彩画、特定のアーティストの作風、感情的なトーン (楽しい、悲しい、神秘的) など。
  • 例:
    • photorealistic (写真のようにリアルな)
    • Studio Ghibli anime style (スタジオジブリアニメ風)
    • impressionist oil painting (印象派の油絵)
    • style of Vincent van Gogh (ゴッホ風)
    • cinematic lighting, dramatic mood (映画的な照明、ドラマチックな雰囲気)
    • vibrant and cheerful (鮮やかで陽気な)

【ステップ6】「構図 (Composition) / カメラ (Camera)」をコントロールする

  • どのように被写体をフレーミングするか、どの視点から見るかを指示します。
  • ショットの種類 (クローズアップ、ロングショット)、アングル (ローアングル、ハイアングル)、レンズ効果 (広角、望遠、魚眼)、照明の方向などを指定できます。
  • 例:
    • close-up shot (クローズアップ)
    • wide angle shot (広角ショット)
    • low angle view (ローアングルからの視点)
    • dynamic angle (ダイナミックなアングル)
    • bokeh background (背景ボケ)
    • dramatic backlighting (ドラマチックな逆光)

【ステップ7】「パラメータ (Parameters) / 修飾子 (Modifiers)」を活用する (AIモデル依存)

  • 多くのAIツールには、生成プロセスをさらに細かく制御するためのパラメータが用意されています。これらはプロンプトの本文とは別に、特定の記号(例: --)に続けて記述します。
    • --ar <比率>: アスペクト比 (画像の縦横比) を指定 (例: --ar 16:9, --ar 1:1)。
    • --seed <数値>: 生成のランダム性を固定するシード値。再現性を確保する上で非常に重要です。同じプロンプトとSeed値を使えば、理論上は同じ結果が得られます。
    • --q <数値>: クオリティ(描画の細かさ、計算時間)。
    • --s <数値>: スタイル強度(スタイル指定の影響度)。
    • --no <要素>: ネガティブプロンプト。生成してほしくない要素を指定 (例: --no text, words, letters で文字の写り込みを防ぐ)。
    • --chaos <数値>: 結果の多様性・意外性 (Midjourney)。
    • --style raw (Midjourney): AIの解釈を抑え、プロンプトに忠実にする。

注意: パラメータの名称や機能は、使用するAIモデル (Midjourney, Stable Diffusion, Soraなど) によって異なります。各ツールのドキュメントを確認してください。

【組み合わせ例】

上記のステップを組み合わせると、次のような詳細なプロンプトが作成できます。

  • 悪い例: cat
  • 良い例 (画像向け):A fluffy orange Persian cat sleeping peacefully on a sunlit windowsill, soft morning light, close-up shot, photorealistic style, high detail, --ar 16:9 --seed 12345 --q 2 --s 750
    • (ふわふわしたオレンジ色のペルシャ猫が日当たりの良い窓辺で安らかに眠っている、柔らかな朝の光、クローズアップショット、写真のようにリアルなスタイル、高精細、アスペクト比16:9、Seed値12345、クオリティ2、スタイル強度750)
  • 良い例 (動画向け – Soraなどを想定):A samurai warrior wearing red armor slowly draws his katana sword in a misty bamboo forest at dawn, dramatic low angle shot, cinematic lighting creating long shadows, camera slowly pushes in towards the warrior's determined face, hyperrealistic, 8k, --ar 16:9 --seed 67890
    • (赤い鎧を着た侍が、夜明けの霧深い竹林でゆっくりと刀を抜く。ドラマチックなローアングルショット、長い影を作る映画的な照明、カメラは侍の決意に満ちた顔にゆっくりと寄っていく。超リアル、8K、アスペクト比16:9、Seed値67890)

3. 再現性を高めるための重要ポイント

  • Seed値を記録・活用する: 気に入った結果が得られたら、必ずプロンプトとSeed値をセットで保存しましょう。これにより、後で同じ(または非常に近い)結果を再現できます。
  • ネガティブプロンプト (--no) を使う: 不要な要素(例: 低品質、変な手、文字、特定の物体)を明確に排除することで、意図した結果に近づけ、再現性も向上します。
  • 段階的に詳細化する: 最初から完璧を目指さず、シンプルなプロンプトから始めて、少しずつ要素を追加・修正しながら試行錯誤するのが効果的です。
  • モデルの特性を理解する: 使用するAIモデルにはそれぞれ得意なスタイルや解釈の癖があります。ドキュメントを読んだり、他のユーザーの作例を参考にしたりして、モデルの特性を掴みましょう。
  • プロンプトライブラリを作る: 成功したプロンプトや、よく使う表現、パラメータ設定などを記録・整理しておくと、効率的にプロンプトを作成できます。

4. より構造的に!高度なプロンプト記述スタイル

プロンプトが非常に長くなったり、複雑なシーンを記述したりする場合、自然言語の文章だけでは管理が難しくなることがあります。そこで役立つのが、より構造化された記述スタイルです。

a) YAML (YAML Ain’t Markup Language) 形式

YAMLは、人間にとって読み書きしやすく、プログラムでも解釈しやすいデータ記述言語です。プロンプトの各要素を キー: 値 の形式とインデント(字下げ)で階層的に整理します。

  • メリット:
    • 非常に構造的で、要素の関係性がわかりやすい。
    • 複雑なプロンプトも整理して記述できる。
    • 後からの編集や再利用が容易。
    • 一部のAIツールや関連ツールで直接サポートされている場合がある。
  • 書き方の基本:
    • キー: 値 のペアで記述。コロンの後には半角スペースを入れる。
    • インデント(通常は半角スペース2つまたは4つ)で階層構造を示す。
    • - (ハイフン) を使ってリスト(箇条書き)を表現できる。

YAML形式のプロンプト例:

YAML

# Image Prompt Example using YAML structure

scene:
  subject:
    type: "samurai warrior"
    description: "wearing ornate blue armor, holding a gleaming katana"
    pose: "standing defiantly"
    expression: "fierce and focused"
  environment:
    location: "on a clifftop overlooking a stormy sea"
    time_of_day: "sunset"
    weather: "heavy winds, dark clouds gathering"
  composition:
    shot_type: "medium full shot"
    camera_angle: "slightly low angle"
    lighting: "dramatic backlighting from the setting sun, casting long shadows"
  style:
    art_style: "cinematic fantasy art"
    artist_influence: "style similar to Yoshitaka Amano"
    mood: "epic, dramatic, intense"
    details: "highly detailed armor textures, realistic ocean waves"
parameters:
  aspect_ratio: "16:9"
  seed: 777
  quality: 2
  negative_prompt: "cartoonish, simple, flat colors, signature, watermark"
  • 使い方: このYAMLの内容を、自然言語のプロンプトに変換してAIに入力します(ツールがYAMLを直接サポートしていない場合)。
    例えば、上記YAMLを繋げて、「Medium full shot of a samurai warrior wearing ornate blue armor, holding a gleaming katana, standing defiantly with a fierce and focused expression, on a clifftop overlooking a stormy sea at sunset with heavy winds and dark clouds gathering. Slightly low angle view. Dramatic backlighting from the setting sun casting long shadows. Cinematic fantasy art style similar to Yoshitaka Amano, epic, dramatic, intense mood. Highly detailed armor textures, realistic ocean waves. --ar 16:9 --seed 777 --q 2 --no cartoonish, simple, flat colors, signature, watermark」のようにします。

YAMLで整理することで、要素の抜け漏れを防ぎ、複雑な指示を組み立てやすくなります。

b) S.P.A.C.E. モデル

S.P.A.C.E. は、プロンプトに必要な要素を体系的に含めるためのフレームワーク(思考の枠組み)を提供する頭字語です。各文字がプロンプトの重要な要素を表します。このモデルにはいくつかのバリエーションがありますが、一般的には以下のような要素を含みます。

  • S (Setting / Scene): 背景、場所、時代設定、環境。
    • 例: In a cyberpunk city alleyway at night, rain-slicked pavement reflecting neon signs. (夜のサイバーパンク都市の路地裏、雨に濡れた舗道がネオンサインを反射している)
  • P (Perspective / POV – Point of View): 視点、カメラアングル、ショットの種類。
    • 例: Low angle shot, looking up. (ローアングルショット、見上げる視点)
  • A (Action / Activity): 主題やキャラクターが行っている動作、活動。
    • 例: A detective investigating a clue with a magnifying glass. (探偵が虫眼鏡で手がかりを調べている)
  • C (Character / Subject): 主な被写体、キャラクターの詳細、服装、表情。
    • 例: A weary, trench-coat wearing android detective. (疲れた、トレンチコートを着たアンドロイドの探偵)
  • E (Execution / Extras / Elements / Emotion / Effect): 実行スタイル(画風、レンダリング品質)、追加要素、雰囲気、感情、エフェクト。
    • 例: Photorealistic, cinematic lighting, moody atmosphere, volumetric fog, high detail, 8K. (写真のようにリアル、映画的な照明、ムーディーな雰囲気、ボリューム感のある霧、高精細、8K)
  • メリット:
    • プロンプトに含めるべき重要な要素を網羅的にチェックできる。
    • 要素の抜け漏れを防ぎ、より完成度の高いプロンプトを作成できる。
    • 思考を整理するためのガイドラインとして役立つ。
  • S.P.A.C.E. モデルを使ったプロンプト構成例:(S) In a sun-drenched, overgrown ancient ruin deep within a jungle, (P) eye-level medium shot, (C) a young female adventurer with a backpack and explorer's hat, looking amazed, (A) discovers a glowing, floating crystal artifact hovering above a stone pedestal. (E) Vibrant colors, mystical atmosphere, adventure game art style, detailed foliage, god rays streaming through the canopy, --ar 16:9 --seed 9876
    • (S: ジャングルの奥深く、太陽が降り注ぐ草木が生い茂った古代遺跡で、 P: 目線の高さのミディアムショット、 C: バックパックと探検家の帽子を身に着けた若い女性冒険者が驚いた表情で、 A: 石の台座の上に浮かぶ、光る浮遊クリスタルのアーティファクトを発見する。 E: 鮮やかな色彩、神秘的な雰囲気、アドベンチャーゲームのアートスタイル、詳細な葉、天蓋から差し込む光の筋、 –ar 16:9 –seed 9876)

YAML形式が厳密な構造化を目指すのに対し、S.P.A.C.E.モデルは、プロンプトを作成する際の思考プロセスや要素のチェックリストとして機能します。どちらのスタイルも、より詳細でコントロールされた、再現性の高いプロンプトを作成する上で非常に有効です。

5. まとめ:試行錯誤こそが最強への道

画像・動画生成AIを使いこなし、思い通りの作品を生み出すための鍵は、詳細で具体的なプロンプトを作成する技術にあります。

  • 基本: 主題、詳細、アクション、背景、スタイル、構図を明確に記述する。
  • 再現性: Seed値とネガティブプロンプトを活用する。
  • 構造化: 複雑な指示にはYAML形式やS.P.A.C.E.モデルを参考に整理する。

今回紹介したステップやテクニックは、あくまで出発点です。最も重要なのは、実際に様々なプロンプトを試し、AIの反応を見ながら試行錯誤を繰り返すことです。AIモデルごとに得意な表現や解釈の仕方に違いがあるため、経験を積むことで、より直感的に、より効果的なプロンプトが書けるようになります。

AIと共に創造する未来は始まったばかりです。ぜひこの記事を参考に、あなただけの素晴らしいビジュアルコンテンツを生み出す冒険を楽しんでください!

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