スペクトログラムの初歩の話
以前、「スペクトログラムを理解する」と言うタイトルの翻訳記事をアップしているのですが、あくまで iZotope社様(本家サイト)の英語の元記事ありきで翻訳しているので初心者の方には少し分かりにくさもあるかと思います。ページとしてもアクセスのあるコンテンツなので初心者向けにシンプルで分かりやすい補足記事を追加することにしました。
DTMやオーディオ編集に興味を持つ皆さんにとってスペクトログラムは音を視覚化する強力なツールで、音楽制作やオーディオ分析(&オーディオ修復)に不可欠です。この記事を通じて、スペクトログラムの基本について少しでも理解が深まればと思います。
1. スペクトログラムとは?
スペクトログラムとは、音の周波数(高さ)、強度(大きさ)、時間を色や形で表現した図です。これにより、ある時点でどのような周波数の音がどれくらいの強さで存在しているかを一目で把握できます。例えば、低い周波数の音は図の下部に、高い周波数の音は上部に表示されます。音楽や声、自然の音など、あらゆる音を色々な色や形に変えて見せてくれます。
- 周波数:縦軸に表示され、低い周波数(低い音)は下部に、高い周波数(高い音)は上部に現れます。
- 強度:色の濃さや明るさで表され、濃いまたは明るい部分ほど音の強度が高いです。
- 時間:横軸に表示され、図の左から右へと時間が進むのを示します。
楽曲のオーディオデータ全体を波形で表示
同じ楽曲のオーディオデータ全体をスペクトログラムで表示
2. スペクトログラムの作り方
スペクトログラムを作成するには、iZotope RXのようなオーディオ解析ソフトウェアが必要です。これらのプログラムは、オーディオデータを受け取り分析し、それを色や線に変えて表示してくれます。音の高さは図の上下で、音の大きさは色の明るさで分かります。時間は左から右へ進むように表されます。専門的な音楽制作ソフトウェアやオーディオ解析ツールには、この機能が組み込まれていることが多いです。
3. スペクトログラムで分かる事と色々な使い方
スペクトログラムは、音楽制作において重要なツールです。音楽の中でどの楽器がどの周波数を占めているか、または特定の音がどのように時間とともに変化していくかを理解するのに役立ちます。また、音楽だけではなく鳥の鳴き声や海の音など、自然の音を研究する時にも使われます。
スペクトログラムは、音楽制作の要のパートであるミックスやマスタリングで特に有用です。特定の周波数帯が過剰になっていないか、または不足していないかを確認できます。これは、バランスの取れたミックスを作成する上で重要です。耳では捉えにくい細かな音の変化も視覚的に確認できるので、より洗練されたサウンドを目指すことができます。
- 音楽制作:ミックスやマスタリングの際に、特定の楽器や音の周波数帯を視覚的に確認できます。これにより、音のバランスを取るのに役立ちます。
- 音声分析:言語学者や音声学者が、話し言葉の特徴を分析するのに使います。異なる音声の特性を視覚的に比較できます。
- 自然音の研究:鳥の鳴き声や海の音など、自然の中の音を分析するのにも使われます。
4. iZotope RXとスペクトログラム: プロのオーディオ修正テクニック
iZotope RXは、オーディオ修正(修復)や音楽制作のための高度なソフトウェアです。このツールは、スペクトログラムを通じてオーディオの細かな部分にアクセスできます。そしてスペクトログラムを使って、オーディオのノイズ除去、クリックやポップ音の修正、音のバランス調整など、さまざまな処理を行います。RXのスペクトログラム表示は非常に詳細で、微細な音の変化まで捉えることができます。
まとめ
- スペクトログラムは音の周波数、強度、時間を視覚化します。
- iZotope RX等の専門のソフトウェアで作成され、音楽制作やオーディオ分析に広く利用されます。
- ミックスやマスタリングにおいて周波数のバランスをチェックするのに役立ちます。
- スペクトログラムを使うことで、オーディオの詳細な分析と改善が可能になります。
音の周波数、強度、時間を視覚化するこのツールを理解することで、音楽やオーディオの世界をより深く探究することができます。